便潜血陽性

便潜血検査(血便)とは

便潜血陽性健康診断では、いわゆる検便検査として、前もって渡されたキットを使用して採集した便を、健診当日に持参し、肉眼で見えない程の血液が混じっていないかどうかを検査する便潜血検査が行われます。これは大腸がんのスクリーニング検査ですが、ここで陽性になると消化管のどこかから出血があるということになります。長い消化管のどこからの出血であるか、また何が原因となっているかは、大腸カメラ検査を行うことでしか確定出来ません。
実際に便潜血陽性の方に大腸カメラ検査を行うと、ほとんどが痔の出血によるものですが、それでも10人に3人の方は大腸ポリープが見つかり、大腸がんは100人に3~4人の方に見つかると言う報告があります。
しかし、何だ、その程度かといって安心してはいけません。便潜血検査が陽性であるということは、消化管のどこかから出血が起こっている可能性があるということですので、しっかりと自分の腸内を見つめ直す良いきっかけとして捉えてください。
3割の方に見つかるポリープのほとんどは放置しておくと、大腸がん化する可能性が高い腺腫という種類のポリープだということが分かっています。大腸カメラ検査でこのポリープを切除してしまうことで、将来のがん化を予防出来るということになります。また、もし大腸がんが見つかっても、初期のうちであれば、内視鏡だけで完治させることも可能です。
便潜血検査で陽性を指摘された場合、必ず大腸カメラ検査を受診してください。

大腸がんとは

日本では大腸がんは長い間、罹患者数でも死亡者数でも常にトップ3以内に位置しています。それは、日本人の食生活、生活習慣の問題と、大腸がんが初期にはほとんど自覚症状が無く、自覚症状に気づいた時は、少し進行してしまっていることが多いことが関わっています。
しかし、大腸がんは早期に発見しさえすれば、内視鏡だけの簡単な切除術で完治でき、大がかりな開腹手術やその後の放射線療法、化学療法なども不要で比較的治しやすいがんと考えられています。
初期のうちの大腸がんや、その前がん病変である大腸ポリープ(腺腫)を確実に発見出来るのは大腸カメラ検査だけです。
大腸カメラ検査は、大腸ポリープを発見したらその場で切除してしまうことも可能ですので、一日のうちで検査、診断、治療、予防までが完了する大変有益な検査です。便潜血検査陽性の指摘が無くても、大腸がんのリスクが高まる年齢を過ぎたら定期的に大腸カメラ検査を受診するようにしましょう。

大腸がんについて

便潜血検査陽性の場合は、
早めに大腸カメラ検査を
受けましょう

内視鏡検査便潜血検査で陽性になり、再検査をした時に陰性になることがあります。しかしそれで安心して放置してはいけません。便潜血検査で一度でも陽性が出たということは、痔も含めて消化管のどこかから出血があったということです。現在の医療ではその原因をはっきりと確認出来るのは大腸カメラ検査だけです。そして大腸カメラ検査を受ければ、大腸から肛門までの疾患についての検査は、その他には採集した組織の病理検査や血液検査だけで済みます。大腸カメラ検査は、一日のうちで検査、診断、治療、予防までが完了する大変有益な検査です。
便潜血検査が1度でも陽性となったら、出来るだけ早いうちに大腸カメラ検査を受診しましょう。

当院の大腸カメラ検査について

大腸カメラ検査は、
大腸がんの早期発見可能な
唯一の検査です

大腸カメラ検査では大腸全域の粘膜を詳細に医師が肉眼で観察していくことが出来ます。もし、観察中に疑わしい病変を見つけたら、その部分を拡大して詳細に検討するだけはなく、サンプル組織を採集して病理検査を行い、確定診断に結びつけることも出来ます。また放置しておくと悪性の大腸がんに変わってしまうことの多い大腸ポリープ(腺腫)を発見し、その場で切除することで、将来のがん化を予防することも可能です。つまり大腸カメラ検査は大腸がんを確実に早期発見出来る唯一の検査であると共に、1日のうちで診察・検査・治療・予防までが可能となるのです。
当院では、日本消化器内視鏡学会専門医の医師が、高度な内視鏡装置を駆使して、病変部に特殊照明を当てたり、スコープで撮影した映像をデジタルで画像処理し拡大したりすることで、精細で正確な診断が可能にしています。
どうしても内視鏡検査に苦手意識がある方には、鎮静剤を使用してうとうとと眠っているような状態でリラックスして検査を受けて頂く方法も用意しておりますので、安心してご相談ください。

便潜血検査の結果を将来の
健康に役立てましょう

便潜血検査は、消化管のどこかから、目に見えない程の出血が起こっていないかどうかを調べるための検査です。そのため、便潜血が陽性になった場合に精密検査をすることで、消化管のどこかに何らかの病変が見つかることがあります。ごく少量の出血ですので、大腸がん以外の疾患でも初期の状態で見つかることがほとんどです。特にポリープなどは放置して大きくなるとがん化する可能性も高くなります。
便潜血検査陽性は、自分の身体の内部をしっかりとチェックし将来の健康を確保する良いきっかけと考えて、放置すること無く大腸カメラ検査を受診しましょう。

便潜血検査陰性でも
大腸がんや大腸ポリープが
ある事も

大腸がんや大腸ポリープは、初期のうちにはほとんど自覚症状がありません。また多少進行しても、硬い便が通過する場所ではなく、小腸よりのまだ柔らかい食物残滓の通過する場所の場合、ほとんど出血しないこともあります。また、出血は常に起こっているわけではなく、硬い便が通過した時だけですので、たまたま出血していない時に採便を行っただけということもあります。
そのため、例え便潜血検査が陰性でも、大腸がんやポリープ、その他の腸疾患の可能性が無いというわけではありません。
大腸がんなどのリスクが上昇し始める40歳を過ぎたら、定期的に大腸カメラ検査を受けるようにしましょう。また、血縁家族に大腸がんや大腸ポリープなどの既往がある方は、40歳に満たなくても、定期的な大腸カメラ検査を受診することをお勧めします。

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